1.背景
Selection Commandは、テキスト選択を起点として検索、AIへの問い合わせ、リンクプレビューなどを実行できるChrome拡張機能である。
一方、初めてインストールしたユーザーは、
- Selection Commandで何ができるのか
- テキスト選択後に何が起こるのか
- コマンドをどのように利用するのか
- 自分の日常的な情報収集にどう役立つのか
を理解しないまま利用を開始する可能性がある。
その結果、インストールから「便利そう」「実際に使える」と感じるまでの時間(TTV: Time to Value)が長くなり、初回利用後の継続利用につながらない可能性がある。
そこで、拡張機能のインストール直後にインタラクティブなオンボーディングを表示し、ユーザー自身に操作してもらいながらSelection Commandの基本的な価値を体験してもらう。
2. 目的
Primary Goal
インストール後60〜90秒以内に、ユーザーがSelection Commandによる情報収集の効率化を体験できる状態を作る。
単に機能を理解してもらうことではなく、
「Selection Commandを使うと、普段の情報収集が速くなる」
という実感を得てもらうことを目的とする。
Secondary Goal
以下をユーザーに理解してもらう。
- テキスト選択からコマンドを実行できる
- 検索を高速化できる
- 選択したテキストをAIに送れる
- リンク先をタブを開かずに確認できる
- コマンドはカスタマイズ・追加できる
3. 非目標(今回やらないこと)
以下は今回のスコープ外とする。
- オンボーディングのA/Bテスト
- 複数オンボーディングパターンの比較
- ユーザーごとのオンボーディング内容の最適化
- コマンド作成方法の詳細解説
A/Bテストについては、今回の施策をリリースして基礎データを取得した後、Phase 2として検討する。
4. 成功条件
オンボーディングの成功は「最後まで読んだこと」ではなく、ユーザーが実際にSelection Commandを使い始めることと定義する。
Primary KPI
Time to First Command(TTFC)
拡張機能インストールから、初回コマンド実行までの時間。
目標:
初回コマンド実行までの時間を可能な限り短縮する。
具体的な目標値は、リリース後のベースラインデータを取得したうえで設定する。
Secondary KPI
- 初回コマンド実行率
- 初回Search実行率
- 初回AiPrompt実行率
- 初回Link Preview実行率
- オンボーディング完了率
- オンボーディングSkip率
- インストール後1日以内の再利用率
- インストール後7日以内の再利用率
5. ターゲットユーザー
初めてSelection Commandをインストールしたユーザー。
特に、
- Web検索を頻繁に行う
- Webページから情報を収集する
- ChatGPTなどのAIを利用する
- 複数のWebページを比較・確認する
ユーザーを想定する。
6. UX方針
6-1. 「説明」より「体験」を優先する
オンボーディングを読むチュートリアルではなく、実際に操作するインタラクティブチュートリアルとする。
基本構造:
説明
↓
ユーザーが操作
↓
結果を体験
↓
「便利」と理解
↓
次の機能へ
6-2. 最初の価値体験を最短にする
最初にSearch Commandを体験させる。
理由:
- 操作が単純
- 結果が分かりやすい
- Selection Commandの基本操作を理解できる
- 「選択 → コマンド → 結果」という基本メンタルモデルを形成できる
6-3. 60〜90秒程度で完了できる
ストアからChrome拡張機能をインストールするまでの間に「無駄な操作が無く効率的」という印象があると想定されるため、
理想60秒、最大90秒程度
を目安とする。
ユーザーが途中で離脱しても、オンボーディングを完了しないと通常利用できないような制限は設けない。
6-4. 途中でSkipできる
ユーザーがすでにSelection Commandを理解している場合に備え、オンボーディングをスキップできるようにする。
7. オンボーディングフロー
Step 0:開始
拡張機能を初めてインストールしたユーザーに、自動的にオンボーディングページを表示する。
表示内容
Selection Commandのインストール、ありがとうございます。
まずは1分で、実際に使いながら試してみましょう。
「Skip」も表示する。
Step 1:Search Command
目的
Selection Commandの基本操作を理解してもらう。
説明
気になるテキストを選択して、すぐに検索してみましょう。
操作対象となるテキストを表示する。
ユーザーがテキストを選択するまで待つ。
選択後
Selection Commandのメニューが表示されたら、該当するSearch Commandの位置に吹き出しを出す。
吹き出し:
選択したテキストに対して、ここからコマンドを実行できます。
続いてSearch Commandを指し、
このコマンドを実行すると、Googleで検索できます。
実行後
検索が実行されたことを確認。
もとの画面上に以下の説明を表示。背景を少しドロップシャドウして、テキストをゆっくり明滅させる
もとの画面を選択すると、自動的に消えます
元のオンボーディングページへ戻ったら、
これで、気になった情報をすぐに検索できました。
と表示する。
価値メッセージ
選択 → コマンド → 検索。
気になった情報を、すぐに調べられます。
Step 2:AiPrompt Command
目的
Selection CommandをAIとの情報収集にも利用できることを理解してもらう。
説明
次は、選択したテキストをAIに聞いてみましょう。
操作対象となるテキストを表示する。
Webページ上のテキストをプロンプトテンプレートに埋め込んで実行できる拡張機能で、どんなことが出来るか、アイデアを考えてください。
ユーザーがテキストを選択するまで待つ。
選択後
メニュー上のAiPrompt Commandへ吹き出しを出す
吹き出し:
選択したテキストを、あらかじめ設定したプロンプトに入れてAIで送ることができます。
ユーザーがAiPromptを実行するのを確認。
実行後
Webページを読みながら、その場でAIに質問できます。
と表示。
価値メッセージ
選択したテキスト × AI
「これって何?」「要約して」「比較して」などをすぐにAIへ聞けます。
また、プロンプトは自分の好みで自由にカスタマイズができます。
Step 3:Link Preview
目的
リンク先を確認するために新しいタブを開く必要がないことを体験してもらう。
説明
最後に、リンク先をタブを開かずに確認してみましょう。
1つのリンクを表示する。
操作
ユーザーがShift + clickするまで待つ。
リンクプレビューを表示。
実行後
もとの画面上に以下の説明を表示。背景を少しドロップシャドウして、テキストをゆっくり明滅させる
もとの画面を選択すると、自動的に消えます
元のオンボーディングページへ戻ったら、
表示
リンク先をその場で確認できます。
価値メッセージ
読むべきリンクか、その場で判断できます。
リンクを開かずに、内容をサッと確認できます。
Step 4:コマンドカスタマイズの紹介
3つの基本機能を体験した後、Commandの拡張性を簡潔に紹介する。
表示内容
Selection Commandでは、自分に必要なコマンドを追加できます。
(設定画面のスクリーンショット)
Selection Command Hubから、検索・AI・翻訳などのコマンドを探して追加してみましょう。
Selection Command Hubへの導線を表示する。
※ここではCommand作成方法を詳しく説明しない。
Step 5:完了
表示内容
これで基本的な使い方は完了です。
ブラウジングしながら、気になったテキストやリンクをSelection Commandで試してみてください。
8. アニメーション・インタラクション
ユーザーが現在何を操作すべきか、視覚的に分かるようにする。
基本ルール
- 画面上の説明テキスト
- 前の操作完了後に、次の説明を逐次表示
- 説明テキストは少し下からフェードイン
- 操作対象のリンク、テキスト
- ポップアップメニューへの説明
- 実際のポップアップメニューの表示位置に応じて、吹き出しで説明
- コマンドを説明する場合は、コマンドの近くに吹き出しを表示
ただし、アニメーションは操作を邪魔しないことを優先する。
9. ローカライズ
既存のSelection Commandのローカライズ方式に従い、多言語対応する。
テキストをコード内にハードコードせず、既存のi18n機構を利用する。
10. 表示条件
オンボーディングは、
「初めて拡張機能をインストールしたユーザー」
に対して表示する。
以下の場合は自動表示しない。
※ 初回インストール判定の具体的な実装方法は、Chrome APIに合わせて決定する。
11. 計測設計
TTV短縮施策として効果を測定できるよう、オンボーディングの各重要イベントを計測する。
イベント
onboarding_start
オンボーディングを表示した。
Properties:
onboarding_skip
ユーザーがSkipした。
Properties:
onboarding_first_selection
オンボーディング中に初めて対象テキストを選択した。
Properties:
onboarding_command_execute
オンボーディング中にコマンドを実行した。
Properties:
onboarding_first_value
最初のSearch Commandを正常に実行した。
これをFirst Value到達イベントとして扱う。
onboarding_complete
最後のステップまで到達した。
Properties:
12. TTV計測
特に以下を計測する。
TTFC
Time to First Command
install timestamp → first command execute timestamp
TTV短縮の評価では、単純なオンボーディング完了時間ではなく、First Command までの時間を重視する。
13. PdMとしての施策判断
今回の施策で最も重要なのは、オンボーディングを完成させることではなく、ユーザーがSelection Commandの最初の価値を感じるまでの時間を短縮することである。
そのため、MVPでは機能説明を増やすよりも、
説明 → 操作 → 成功 → 価値を理解
というループを短くすることを優先する。
特に最初のSearch CommandをFirst Valueとして扱い、
Install → Text Selection → Command Execute → Search
を最短で成立させる。
AiPromptとLink Previewは、その後に「Selection Commandにはさらにこういう使い方がある」と理解してもらうための補助的な体験と位置付ける。
今回のMVPではA/Bテストを行わず、まず単一フローをリリースして、First Command / First Valueに関するベースラインデータを取得することを優先する。
そのデータをもとにPhase 2でA/Bテストを行い、オンボーディング自体の最適化につなげる。
1.背景
Selection Commandは、テキスト選択を起点として検索、AIへの問い合わせ、リンクプレビューなどを実行できるChrome拡張機能である。
一方、初めてインストールしたユーザーは、
を理解しないまま利用を開始する可能性がある。
その結果、インストールから「便利そう」「実際に使える」と感じるまでの時間(TTV: Time to Value)が長くなり、初回利用後の継続利用につながらない可能性がある。
そこで、拡張機能のインストール直後にインタラクティブなオンボーディングを表示し、ユーザー自身に操作してもらいながらSelection Commandの基本的な価値を体験してもらう。
2. 目的
Primary Goal
インストール後60〜90秒以内に、ユーザーがSelection Commandによる情報収集の効率化を体験できる状態を作る。
単に機能を理解してもらうことではなく、
という実感を得てもらうことを目的とする。
Secondary Goal
以下をユーザーに理解してもらう。
3. 非目標(今回やらないこと)
以下は今回のスコープ外とする。
A/Bテストについては、今回の施策をリリースして基礎データを取得した後、Phase 2として検討する。
4. 成功条件
オンボーディングの成功は「最後まで読んだこと」ではなく、ユーザーが実際にSelection Commandを使い始めることと定義する。
Primary KPI
Time to First Command(TTFC)
拡張機能インストールから、初回コマンド実行までの時間。
目標:
具体的な目標値は、リリース後のベースラインデータを取得したうえで設定する。
Secondary KPI
5. ターゲットユーザー
初めてSelection Commandをインストールしたユーザー。
特に、
ユーザーを想定する。
6. UX方針
6-1. 「説明」より「体験」を優先する
オンボーディングを読むチュートリアルではなく、実際に操作するインタラクティブチュートリアルとする。
基本構造:
6-2. 最初の価値体験を最短にする
最初にSearch Commandを体験させる。
理由:
6-3. 60〜90秒程度で完了できる
ストアからChrome拡張機能をインストールするまでの間に「無駄な操作が無く効率的」という印象があると想定されるため、
理想60秒、最大90秒程度
を目安とする。
ユーザーが途中で離脱しても、オンボーディングを完了しないと通常利用できないような制限は設けない。
6-4. 途中でSkipできる
ユーザーがすでにSelection Commandを理解している場合に備え、オンボーディングをスキップできるようにする。
7. オンボーディングフロー
Step 0:開始
拡張機能を初めてインストールしたユーザーに、自動的にオンボーディングページを表示する。
表示内容
「Skip」も表示する。
Step 1:Search Command
目的
Selection Commandの基本操作を理解してもらう。
説明
操作対象となるテキストを表示する。
ユーザーがテキストを選択するまで待つ。
選択後
Selection Commandのメニューが表示されたら、該当するSearch Commandの位置に吹き出しを出す。
吹き出し:
続いてSearch Commandを指し、
実行後
検索が実行されたことを確認。
もとの画面上に以下の説明を表示。背景を少しドロップシャドウして、テキストをゆっくり明滅させる
元のオンボーディングページへ戻ったら、
と表示する。
価値メッセージ
Step 2:AiPrompt Command
目的
Selection CommandをAIとの情報収集にも利用できることを理解してもらう。
説明
操作対象となるテキストを表示する。
ユーザーがテキストを選択するまで待つ。
選択後
メニュー上のAiPrompt Commandへ吹き出しを出す
吹き出し:
ユーザーがAiPromptを実行するのを確認。
実行後
と表示。
価値メッセージ
Step 3:Link Preview
目的
リンク先を確認するために新しいタブを開く必要がないことを体験してもらう。
説明
1つのリンクを表示する。
操作
ユーザーがShift + clickするまで待つ。
リンクプレビューを表示。
実行後
もとの画面上に以下の説明を表示。背景を少しドロップシャドウして、テキストをゆっくり明滅させる
元のオンボーディングページへ戻ったら、
表示
価値メッセージ
Step 4:コマンドカスタマイズの紹介
3つの基本機能を体験した後、Commandの拡張性を簡潔に紹介する。
表示内容
(設定画面のスクリーンショット)
Selection Command Hubへの導線を表示する。
※ここではCommand作成方法を詳しく説明しない。
Step 5:完了
表示内容
8. アニメーション・インタラクション
ユーザーが現在何を操作すべきか、視覚的に分かるようにする。
基本ルール
ただし、アニメーションは操作を邪魔しないことを優先する。
9. ローカライズ
既存のSelection Commandのローカライズ方式に従い、多言語対応する。
テキストをコード内にハードコードせず、既存のi18n機構を利用する。
10. 表示条件
オンボーディングは、
「初めて拡張機能をインストールしたユーザー」
に対して表示する。
以下の場合は自動表示しない。
※ 初回インストール判定の具体的な実装方法は、Chrome APIに合わせて決定する。
11. 計測設計
TTV短縮施策として効果を測定できるよう、オンボーディングの各重要イベントを計測する。
イベント
onboarding_start
オンボーディングを表示した。
Properties:
onboarding_skip
ユーザーがSkipした。
Properties:
onboarding_first_selection
オンボーディング中に初めて対象テキストを選択した。
Properties:
onboarding_command_execute
オンボーディング中にコマンドを実行した。
Properties:
onboarding_first_value
最初のSearch Commandを正常に実行した。
これをFirst Value到達イベントとして扱う。
onboarding_complete
最後のステップまで到達した。
Properties:
12. TTV計測
特に以下を計測する。
TTFC
Time to First Command
TTV短縮の評価では、単純なオンボーディング完了時間ではなく、First Command までの時間を重視する。
13. PdMとしての施策判断
今回の施策で最も重要なのは、オンボーディングを完成させることではなく、ユーザーがSelection Commandの最初の価値を感じるまでの時間を短縮することである。
そのため、MVPでは機能説明を増やすよりも、
というループを短くすることを優先する。
特に最初のSearch CommandをFirst Valueとして扱い、
を最短で成立させる。
AiPromptとLink Previewは、その後に「Selection Commandにはさらにこういう使い方がある」と理解してもらうための補助的な体験と位置付ける。
今回のMVPではA/Bテストを行わず、まず単一フローをリリースして、First Command / First Valueに関するベースラインデータを取得することを優先する。
そのデータをもとにPhase 2でA/Bテストを行い、オンボーディング自体の最適化につなげる。